牧野俊博は、コーヒー店の店主である。2014年5月、大野市元町に開いた店の名前は、「モモンガコーヒー」。
自家焙煎のコーヒー豆、そして大野の水で淹れるコーヒーにこだわったこの店には、老若男女問わず、市内外から客が訪れる。
「30歳までに一生の仕事を見つける」
それだけ決めて、大野を出た
子どもの頃から、モノを作るのは好きでした。ただ、職人になりたいとか、野球選手になりたいとか、具体的にあこがれたものはなく、未来は漠然としていましたね。だから高校を卒業した時点で、とりあえず大野を出たい、なんでもある東京に行きたいと思いました。大野には特別愛着があるわけじゃなかったし、生まれた場所だから嫌いじゃないけど、ずっと地元にいることは考えられなかったです。ただ「30歳になるまでに、自分の一生の仕事を見つける。」それだけは決めていました。
東京の大学に進学しても、自分が何をしたいのか、見つかりませんでした。勉強もおもしろかったし、喫茶店でのバイトも4年間続けるくらい好きで。でも、これだ、という進路は見つからないまま、何となくモノを作るのが好きだったから、メーカーに就職を決めました。